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ぶたこな日々(^oo^)にようこそ。音楽で言葉で心で、今年もいろんな人と対話したいなぁ。

by butako

バンクーバー五輪フィギュア男子SP

とうとう始まりました、本格的な五輪が・・・という感じでしょーか(^oo^) やっぱり私たちにはフィギュアがメインだし、川口は出ていたけど日本からの選手がいなかったペアは、どこか気楽に見ていたところがあったし(その分シンプルに楽しめたけど)

今回、感心したのは、バンクーバーオリンピックの公式ホームページ。
フィギュアスケートのページここから、各種目をクリックすると、各選手の成績が見られるのですが、すごいのは速報性。競技前は滑走順リストになっていて、競技が始まるとほとんど同時進行ですぐに成績が表示されるのです。それも、詳しい項目ごとの得点がしっかり見られるのです。テレビで得点が表示されたもう数秒後には、どの技がレベルいくつやったかとか、GOEは何点やったかとか、一目瞭然。昨日それを発見して、楽しみつつ観戦してました(^oo^) エクセルの表みたいになってて、表示順も、順位順、滑走順、国別、名前アルファベッド順、スコア順、と並べ替えられます。

思いつくままに。


まずは高橋大輔選手。
もう、身内のような気分で、座ってられなくて、立ち上がって、じっとテレビの画面を見入ってました。ジャンプでとびあがるたびに「おりろー!」と着地を願い、ジャンプがなんとか全部降りられてからは、スピンでこけるなー、ステップでこけるなーと祈り続けました。とにかく、無難に終えたという感じですね。あの緊張感の中で、ジャッジへのアピールもしていたし、観客をしっかり味方につけていたところがこの人のすごいところ。でも、なんとなく、最高潮のときのスピード感、動きの大きさは見られなかったかな。それでも、大きなミスなく終えられたのは十分すごいけど。スピンは三回ともレベル4で最高。でも得意のステップはストレートだけが4で、サーキュラーは3。ちょっと動きにシャキシャキさがないなって思ってたら、しっかり見られてるかー。


演技構成点の5項目はほとんどが八点台ですごい。一番よくなかったのが、技のつなぎのようで、それでも七点台は十分立派やけど。でも、ここにまだのびしろがあるということですな。


で、ここで高橋選手とプルシェンコを比べたくなります。プルシェンコが四回転成功したし、コンビネーションだし技術点が高いのは分かる。でも、私が見た印象とあわないのは、まずスピン。三回ともレベル4になってるけど、見てた感じ、確かに回転は速かったけど、ポジションも平凡に見えたし、そんなに工夫されてないと思った。これで4なんかと納得しにくい。ステップは二回ともレベル3。そんなもんでしょ。

っていうか、すごく化石を眺めている感じがしました。プルシェンコ見ていて。彼は、競技後の記者会見で、湯四回転をとばなければ進化がない。その前で終わっていては、フィギュアスケートだけ進化をとめている・・・みたいなことを話したみたいだけど。そうなのかな。彼のスケートを見ていると、四回転「だけ」はできているけど、ステップの振り付けも何年か前のものに見えたし、ステップも。昔は身体がやわらかくて、ビールマンとかもしてた気がするんだけど、そういう柔軟さを見せた演技もなく、なにより、音楽にあってない。ときどきいるんだけど、この振り付けなら、タイミングも何も関係ないし、どんな曲かけても、同じ長さならなんでもええんちゃう? てな感じ。どのタイミングで跳びあがろうが、どのタイミングで腕をぱっと広げようが関係ない。だから失敗もない。でも、ブルシェンコの構成点を見てみると、曲の解釈で八点台が出ていて不思議。技のつなぎは六点台。それは納得。振り付けは七点台。そんなもんだと思う。スケート技術も八点台。そうなの? 足だけを見ていて、なんかスケートがすべってない気がした。私が素人だからわからないけど、じつはすごーくうまいのかな。うーん・・・。


で、二位になったライサチェク。
この人はスピンが苦手みたいで、二回ともレベル3。ちょっとふらついてたかな。でも、ステップよかったなー。っていうか、火の鳥がぴったり。あの変拍子で入ってくるジャン、ジャンという不思議なタイミングに、身体をばっと広げるだけで、すごい迫力。あのタイミングあわせるのって難しいと思う。シーズンの初めはまだタイミングがあってなくて、ちぐはぐだと思ったけど、終盤になってきて仕上がってくると、本当に素晴らしいプログラム。素晴らしい演技。私の中では間違いなく昨日の一番だった。フリーもがんばってほしい。この人が金メダルをとるのなら、納得。日本選手がダメでも、拍手を送ってしまうぐらい納得すると思う。


三位は高橋クンだから、四位の織田くん。
彼は、ステップが二回ともレベル3。ここにのびしろあるのかな。身体はすごく動くようになってるんだけど、押しが足らないというか、一つ一つの動きのつなぎ、特にステップのときのつなぎが、不自然。意味が感じられないというか。振り付けとして、こう動いて、次のポーズまでのつながりは、たとえば喜びのなかで動くのか、閉塞からの解放なのか・・・とか、そういう解釈的なことが感じられなくて、ブンブンと腕を振り回して、誰かに命令されて動かされてる感じがすごくした。身体はやわらかくて、身体の線もとても美しいから、これからの成長、もっともっとできると思う。がんばれっ(^oo^) フリーはチャップリンでしたな。あれも、今までの演技だと、まだコミカルになりきれてなくて、誰かに言われてやってますーって感じがぬぐえなかったから、総仕上げの今回、思い切りはぢけて、自分自身がそのものになりきってくれることを願って応援しまっせ(^oo^)


五位はランビエール。
私はあんまり好きな演技じゃなかった。衣装のせいもあるかもしれないけど、肩まわりの動きがかたいというか、ぎこちなく感じた。でも、思ったよりも得点がのびたという印象。構成点のスコアを見ると、ステップが両方ともレベル3でもひとつなのかな。スピンは三回とも最高レベル。確かにきれいやった。そして、この人のなかで特に光っているのが、曲の解釈、一人だけ九点台! 曲はなんだってけ・・・。構成点のその他のところで、そのほかも全ての項目で八点台をそろえるところ、この人の存在はかなり怖い。逆転でメダルなんて可能性も高そうな気配を感じる。アクセルジャンプが不得意なところが、難点。こうやってみると、万能の人っていなくて、なにがしかの欠点を持っているのね、みんな。人間なんだなー、みんな。


六位のジョニー・ウィアーは、美しかったけど、得点のびず。ミスもなかったのに。
私のなかでひっかかるのが、ジャンプのときの姿勢というか、足の動き。あのパールスピンの子、ジャンがそうだけど、跳びあがる前にすごく後ろ足があがってしまう、この人も。それから、まわってる間に、中野風巻き足気味。振り付け全体は美しいけど、この空中姿勢は、その完璧な美しさを少し邪魔してしまうのかなーと感じた。でも、かなり素晴らしい演技。よかったなぁ。

七位のパトリック・チャンを見たのは久しぶり。今シーズン、グランプリシリーズでは見られなかったし、その前の年、私は日本にいなくて、その間にうまくなったという噂。楽しみにしていたら、本当にうまくなってた。特に表現力。ステップとかが前よりもずっと美しくなって、好みになってた。顔までかっこよくなった気がしたけど、整形したか?(^oo^;)と疑ったぐらい。わははは。りりしかった。ミスはあったけど、フリーの演技がんばってほしい。楽しみにしてます。


八位にはいった小塚くん。立派です。
このギター音楽の解釈は難しいなー。動きは月日を重ねるごとによくなって、ワイルドな感じも出ているんだけど、彼のどこか内向的なところが邪魔するように感じる。内に向かって、深い精神性みたいなものを表現する優雅系の音楽で、彼の美しいスケーティングをいつか見てみたいなぁ・・・と思ったりします。この振り付けは、脱力が肝心みたいなんだけど、脱力しすぎると、雑にも見えてしまうというか、得点に結びつけるのが難しいのかなって思った。私の印象だけど。スピンは三回ともレベル4だけど、ステップが両方3。この人の実力だと4はとれると思うし、精一杯やってたと思うから、そのあたりは印象の問題なんかなーと、勝手に思う私。とにかく日本人三人が全員八位以内にいるなんて、すごすぎます。フリーでは、ほんまに後悔せんように、のびのびやってほしい!


トマシュ・ベルネルがミスって順位が低かったのは、驚きが少なかった。っていうか、この人のことは、私はあんまり注目してなくて、今世界ランクが一位ときいてびっくり。そんなにすごかったんかーって。

とにかく驚いたのは、ブライアン・ジュベールと、ジェレミー・アボット。
ジュベールは、少なくとも四回転は完璧に降りると思ってた。でもって、三回転なんて目をつぶってても、十時間ぐらい滑ったあとでも、ぺろっとやれると思ってた。四回転で姿勢を崩し、三回転で転ぶ。ありえない。本当にありえない。この順位もありえない。メダルにはからまないかもしれないけど、フリーだけの順位でも、すごいもん見せてほしい。

アボットのショートは好きなプログラム。他の人がすごく闘争的というか、アグレッシブなのを並べてくる中で、すごく脱力系で、リラックス系で、それだからこそうまさが光る。そのプログラムの魅力が出ていなかった。動きもかたかったし、ありえないミスの連発で、本人だけじゃなくて、見てる観客でさえ、あー夢であってくれー、現実の演技はこれから改めて始まるんだって、思いたかったはず。目の前で起きている現実が一番信じられなかった演技だった。ジュベールと同じ言葉だけど、とにかくフリーで、すごいもの見せてほしい。彼らしさを出してほしい。


他に若い人とか、注目もいっぱいいたけど、疲れてきたからこのへんで(^oo^;)
とにかく、ほんまにすごかった。レベルの高い戦いで、いろんなことがおこってドラマチックで・・・。

スポナビというヤフーがやってるスポーツニュースのサイトで、いろいろ情報やらコラムやらが出てました。

ショートプログラム後に開かれた上位三選手の会見はここ。それぞれ自分のスケートに対する信念があらわれていて、相手に対するプレッシャーもあったりで面白い。

その他の選手たちのコメントはここ
アボットの「胸が張り裂けそうな思い」というのを読んで、こっちも胸がいたんだし、ウィアーの自分の演技に対するジャッジの心理を分析しているところが面白い。


それから読んで、そう、そうだよってうなずいてしまったのが、このコラム。記録や歴史に残る演技をねらうのではなく、人々の記憶の残る演技をしてほしいと、私も思います。こういう審判がからむ競技となると、ときどき納得できない結果が出たりするけど、見てる人々が本当の結果を一番知ってる気がする。戦略を立てて、得点を着実に積み重ねてたとえばメダルをとれたとしても、それが見ている人の心をうたなければ、それでいいのかなって。私は音楽が好きなこともあって、芸術性についついポイントをおいてしまう。それだけじゃないと思うけど、とにかく、この四年間やってきたこと、積み上げてきたことを、後悔しないようにすべて出し切ってほしいな。日本選手だけじゃなくて、すべての選手に。がんばれー、みんな!!
by butakotanaka | 2010-02-18 11:29 | スポーツ