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ぶたこな日々(^oo^)にようこそ。音楽で言葉で心で、今年もいろんな人と対話したいなぁ。

by butako

スミスさんとのランチ。

スミスさんとの待ち合わせのために、午後一時過ぎに学校へ。今の先生ジェラルドにも遭遇。挨拶を交わしました。土曜にもたくさんの学生が来てるんだな、先生もみんな働いてるんだな・・・となんだか感慨がありました。ここの先生って、週に6日働いている人がほとんどみたいです。時間は短い日もあるとおもうけど。きっついよね。それでも。アメリカは進んだ国だと思うけど、こうやって人よりも余計に働いている人も多いですよね。実際は。

一時過ぎにスミスさん登場。ビレッジに向おうということで、地下鉄に乗るも、なかなかたどりつかない。そう、週末スケジュールで、とにかくここで止まって乗り継ぎとか、短い距離のはずなのに、なんか着かないのだ。私なら歩くところだけど、あくまでも乗り継いで最寄の駅に着こうとする根性に、ニューヨーカーの真髄を感じた(^oo^;)

ランチを食べたのは、「Quantum Leap」というお店。226 Thompson St.というところにあります。けっこう有名みたいです。日本料理もあるし、ヘルシー系のお店のようです。私はブランチメニューからパンケーキを注文しました。いちごとバナナとホイップクリームがのってた。普通のパンケーキかと思ったら、茶色かった。玄米というかホールウィート系の粉を使ってるんですね。とっても美味しかったです。スミスさんはセットミールみたいなので、ヒジキの煮物と豆の煮物、それにスープみたいな組み合わせ。ヒジキを味見したけど日本で食べるのと同じ味付けやった。不思議な気分。

その後、お茶は、カフェ・フィガロってところ。このお店はガイドブックで見た気がする。更に有名かも。イタリアンカフェという感じ。彼女はカプチーノ、私はホットココアを飲んだ。

彼女は黒人。ということで、子どものころの教育の話をしてくれた。彼女はカソリック系のしかも黒人のための学校に通う。先生も全て黒人の尼さん(っていうんだっけ(^oo^;))。そこで「これから先社会に出たら、黒人として白人にこんな差別を受けるかもしれないけど、プライドを持って戦うのよ」みたいなことも含めて教育を受けるんだそうです。その頃公立の学校でも、同じ地域があっても分離教育が当たり前で、彼女はそのときヒューストンの学校、彼女のいとこは、テキサスに住んでいてテキサスの公立学校。いつも夏休みにはそのテキサスのおじさん夫婦の家に遊びにいって過ごすのが習慣だったんだけど、そのいとこたちとは、気があったことがなかったそうです。

まず悲しいかな、教育レベルが違う。スミスさんの方が年下のはずなのに、彼女が使う語彙を彼らは知らない。その頃からもう音楽に目覚めていたスミスさん、たとえば「ジミー・ヘンドリックってクールだよね!」(私でも知ってたこの名前)と話しかけても、「誰?それ?」という答え。そっか、同じアメリカで、教育の差もあるけど、文化に関しても、地方に住んでいるとあまり都会で起こっていることに興味を持たないまま大人になり、それで別に困らない暮らしなのかも。

現代とは勝手が違うだろうけど、全くこの状態が残ってないというわけではないんだよね。スミスさんのお母さんはピアノの先生だったんだけど、きっと現代なら演奏家として成功してたぐらいの才能があったそうです。でも、その頃の社会では「黒人にクラシック音楽がわかるはずがない。」ということで、チャンスを得ることは難しく、演奏家としての仕事を得ることは不可能だったそうです。

私がアラバマ物語を読んでいるというと、とても嬉しそうで、ぜひ映画も見るように・・といってくれました。ほんとに見なくちゃ。

私が受けているレッスンの話もいろいろして、昨日もらった新しい楽譜を見せると、グリュックのオルフェオが、めちゃめちゃ好きなんだそうです。ぜひこれを歌っていつか聞かせてほしいと言われました。まだわからないけど、がんばってこの曲を練習して覚えて、学校のリサイタルで歌おうかな・・と思い始めました。こんなのがあると話すと、聴きに来てくれるかもといってくれました。演奏会の後、一緒にお茶を飲もうとも。誰かが聴きにきてくれるなんて、嬉しいな。これから三週間後かぁ。間に合うかなあ。がんばったら間に合うような気がするけど。とにかくやってみよう。

その頃にはクラスメートとももっと仲良しになっていて、誰か聴きに来てくれる人がいるといいのにな。とっても小さなコンサートだし、自分の演奏能力にも全く自信がないけど、いい記念になるし、恥ずかしがらずに誰か誘ってみようかな。

スミスさんが「あなたを是非一度何かのコンサートに誘いたいのよね。音楽を愛する人と一緒にコンサートに行って、色々語り合うのって素晴らしいでしょ」と言ってくれた。私もそんな機会があるといいなって思う。とにかく、フィルグラスのめっちゃファンってことは伝わってきて、彼について書いてあった昨日のNYタイムズのアーティクルhttp://www.nytimes.com/2005/04/22/arts/music/22glas.html?
これをもってきていて、説明色々してくれました。この人って、もちろんまだ生きていて、ニューヨークに住んでるんですね。スミスさんは三回も会ったことがあるんだって。一度はサインをもらいにサイン会か何か。二回目はなんと銀行で偶然に会ったんだって。三回目は、英語学校の生徒をつれて、テロの数年前にWTCであった彼のコンサートに行き、そこでも少し話したそうです。

月末あたりの教会の礼拝の後、少しお散歩でも一緒に楽しんで、その後彼女のアパートで彼の音楽を聴かないかという話になりました。実現すると楽しそう。その頃丁度プロスペクトパークは桜祭り。面白そうだもんね。色々催しもあるみたいで、30日の土曜には矢野顕子さんのコンサートもあるそうです。両日とも出かけてもいいかも。詳しくはhttp://bbg.org/exp/cherrywatch/sakura_ap_swf_2001.html
ここまで。

帰りの地下鉄もまたまた大変。いろんな線が、別の線の線路を走ってたり、普段急行のラインなのに、今日は各駅だったり。ほんま、誰が本当のことを知ってるんだってぐらい、みんなが混乱してましたさ。

いや、なかなか面白かったです。
彼女と話すと私は積極的になれるようです。なんでかというと・・・。
・彼女は少し耳が遠いようです。だから、はっきり明確に話さないといけない。彼女の声もとっても大きい、少し足が悪いから、のそっのそっと大きな身体で豪快に歩きます。歩きながらの話だと、更にハキハキと発音しないと通じないのだ。

・彼女は、どちらかというと、質問は投げかけるものの、人の話を最後までは聞かずにきっかけだけ聞いて早合点する傾向にあるようです。最初は遠慮してたけど、「いや、だからさっき言いかけたんだけど、こうなのよ」とか「いや、ちょっとまって、最後まで言わせてくれ」と、少し強引に話終わらないと、私のテンポの遅い英語だと待ちきれてくれないんですね。でも、話を一貫させようとすると、ちゃんと責任もって話さなくてはいけない。もう遠慮なんかしてられない。最後には、友達同士の会話に完全になってた気がする。いい子ぶっていられないし、授業のときみたいに、少々の誤解があっても、もういいやってわけにもいかない。これからも付き合い続けるんだもんね。授業のときに自分の気持ちが中途半端になるのは、少々いい間違いや言い足りないことがあっても、この人たちが一生かかわるわけじゃないから、いいやっていうあきらめが悪いのかもなぁ・・と今日思いました。

彼女は、そういう意味では、やさしい人というわけではないかもしれない。でも、とっても豪快で誠実で楽しい人だと思いました。それでもって、いろんな経験をしている。黒人としても。それで先生になるってのは、そんなに簡単じゃないと思う。

いい友達がまたできた素敵な日でした。

夕食は、どうしよう・・と考えながら帰宅。近所の中華にまた行ってしまいました。そうだ、スープを飲もう!ってことで、魚だんごのスープを注文。お持ち帰り。スープだけだから大きな方を頼んだ。それでも、3ドル足らず。
では写真を。大きいで。大きさを比べるためにPCと並べた写真と二枚載せます。

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スミスさんとのランチ。_b0057103_912065.jpg

by butakotanaka | 2005-04-23 19:33 | NY・留学