こないだピアノの方と話している中で、
「世の中には、すごい人がいる」「天才という人は存在する」
「そういうすごい人、天才は、生まれた時から違うし、
練習を積まなくても音楽をすでにすばらしく演奏することができる」

みたいな話になりました。
その話題の中で、自分たちはそういう「すごい人」でも「天才」でもないことを、わきまえておく必要がある。という続きになりまして、夢を持ちすぎるな、持ちすぎると後で落ち込むだけだ、この程度まではうまくなるけどその先には一生行けないとどこかで知っておく必要がある、となりました。

確かに、才能のある人というのはどの分野にも存在すると思います。
「ちがう人」というのもいると思う。
でも、まず、その人たちが練習しなくてもすばらしいかというとそうではないし、
才能を持っているから努力しなくても、最初からできているかというと、
そうなのかなーと思ってしまう。

で、そうでない人たち、つまり私たち凡人(^oo^;)
夢を持ちすぎてはいけないのか、本当にある程度までしかうまくなれないのか、
そもそも「上手」って何だろう、どんなことをいうのかな・・・と、
色々考えてしまいました。

その方は、とてもレベルの高い演奏をいつも熱心に高いチケットを買って
聴きに行っておられるので、私なんかが知らない世界を知っておられるのだとも思うし、
私はそんな高い演奏会にはあまり行く機会がないので、
話が成り立たなかったのかもしれないです。

最初はピアノから始まった話が、そのうち歌になり、
特に歌は、声帯が体の中にあるから、生まれたときから決まっている
という主張でした。
確かに、声帯は取り替えられないですよね。

でも、恵まれた声帯を持っていても、
呼吸のコントロールだったり、
特に各言語に対する理解力がなければ、
「声」だけが良くてもどうしようもないし。
っていうか、「ええ声やなー」って思うときは、
たいがい、その歌われている言葉が自然に聞こえてきて、
メロディが自然に流れているわけで、
その音楽力みたいなものは、
恵まれた声帯だけではどうしようもないと思うのです。
で、そもそも「恵まれた声帯」といっても、
声や歌なんて、人それぞれの魅力があるし、
「ええ声」というのも、聴く側からも好みがあるとも思う。

で、「あまり恵まれていない声帯」というのがあるとして、
それがどうしようもないかというと、
そうじゃないって信じたいなー。

そりゃまあそこそこ人前に立って歌うぐらいはできると思うけど、
もっと上のレベルの話だ、とその続きで言われてしまい、
そういわれると、そうですか、としか言えなかったのだけど、
なんとなく、自分がこれまでずっと声にコンプレックスを抱えながら、
ずっと少しずつ進歩して磨いてきて、
この年になって、やっと自分の声や歌やピアノや音楽を
ようがんばってきたな、こんなんもありかなって
受け入れられるようになったけど、
なんというか、努力すれば人はどのようにも変わることができると
信じる自分の気持ちを全否定されたような悲しい気持ちになったのでした。

上のレベルとかよくわからんけど、
教える立場としても、
私はピアノにしても歌にしても指揮にしても、
自分自身も未熟だと思うし、
生徒さんに対しても、その人がプロだからとか指導者だからとか
初心者だからとか、子供だからとか、シニア世代だからとか
まったく区別することはないし、
同じように自分が気がついたことをシェアして、
相手が理解してくれると信じて、
かならず進歩すると信じて、
互いにがんばっている感じ。

生徒さんがどうせあんまり練習しないし、
とかあきらめたことはないし、
実際みんなそれぞれの生活の中で、
音楽を大切に思って練習してきてくれるし、
なんというか、私もあきらめたくないし、
生徒さんにもあきらめてほしくない。

あきらめるというか、ここまでっていう限度というか、
制限もかけたくない。
極端に言ったら、
今、まったくのアマチュアで、
子供でもなくある程度の大人になっていたとしても、
それでも変われる、
もしかしたら、大化けして、
とんでもなく素晴らしい歌い手さんやピアニストさんになるとだってあると
信じたい。不可能だとは思いたくない。

教える側があきらめてしまったら、おしまいなんじゃないかなーと
そうも思う。
そして、学ぶ側としても、そんな制限をしないで、
どこまでもどこまでも希望を持って、自分の音楽を磨きたいなーと思う。

まっ、学ぶ側の私の程度なんて、しれてるんですけどね(^oo^;)
コンクールとか受けるわけでもないし、
自分でコンサートするわけでもないし。

そして、かたや「すごい」側の人たち、
この人たちもまた、表面から見たら、天才だー才能のかたまりだーと
言われるような人たちも、実は、日々すごい努力を重ねていることが多い。
というか、そんなことがほとんどだなと思う。

昔、王貞治さんのインタビューをテレビでやっていて、
あんなにたくさんのホームランを打って、
長い年数、同じように美しいホームランを打ち続けるコツは何ですか?
みたいな質問に対する答えは、
「一度も同じホームランはありません」というものだったと記憶している。
とにかく、常に変化することを恐れず、昨日と今日はまったく違う自分と思えるぐらい
色々新しいことに挑戦して、試行錯誤の連続だったそうです。
私たちから見たら、いつも「安定して」「同じように」すばらしいホームランでも
彼にとっては、日々、ああしてみよう、こうしてみようと、
とどまることなく、努力し続ける現役時代だったという話には、
すごく刺激を受けました。
私もそうでありたいなと。

明日から始まるフイギュアの中国杯、
去年、グランプリファイナル、オリンピック、世界選手権と
三大会とも金メダルという偉業を成し遂げた羽生くんの今シーズンが始まるわけだけど、
常に進化しつづけたい、同じ場所にとどまりたくないという話を
シーズン前のインタビューでしていたのを読みました。
あんなに高みまで上り詰めた彼でさえ、変化を恐れず新しいことへ挑戦し続ける、
素敵だなーと思います。

進歩したい、いい方向に変化したい、
自分を少しでも磨きたいという思いには、
初心者であっても、上級者であっても、プロであってもアマであっても、
かわりないんじゃないかなと思います。
おそらく・・・いえるのは、上級者になればなるほど、
磨くことに時間とエネルギーをかけて、小さな変化にも気が付きやすくなる、
よりよくなるための情熱やアイデアがより豊富になってくる、
これが違いなのかもしれないなーと、ぼんやりとは思うけど。

あまり高望みしない、とか、この程度とわきまえる、とか
考えすぎないで、
どこまでもいける、何にでもなれる、と、
とどまらない、あきらめない自分でいたいし、
そんな思いで、生徒さんの指導も続けていけたらなーと思います。

さっ、午後からももう一人ピアノの生徒さんだっ。
がんばろっ!


冷え込んできましたね、みなさん風邪ひかないようにお元気で(*^oo^*)

夫婦して風邪気味のぶたこぶ家からでしたー(●^oo^●)

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by butakotanaka | 2014-11-06 13:48 | 音楽・趣味 | Trackback | Comments(0)

この前の日曜、ぶたこ母とランチデートしまして、その時に、母が知り合いの個展があるから行かないかと誘ってくれたので、ランチの後、戎橋の画廊でやっていた、大橋利一さんの個展に伺いました。
大橋さんは、昔、うちの実家のすぐ近所で仕事をしておられて、その会社の社長の息子さんが私の同級生だったという、なんかほんとに昔むかしのつながりです。私自身はほとんどお会いした記憶がないので、初対面という感じでした。

個展の案内ハガキに載っているだけでは、素材感は十分に伝わらないものだということを今回ほど強く感じたことはありません。個展で拝見した作品の中でも、鉄の扉が一面に描かれた作品に強く心をひかれました。

ただ、目の前に鉄の扉がどーんとあるだけ。なのに、ずーーっと見ていたくなるし、いつまでそこにいても退屈しない気がするし、力をもらう気がしたし、逆にすごく落ち着くような気持ちにもなりました。不思議な感覚でした。

とにかく、奥行きがあるのです。
その扉がどのぐらい長い間そこにいたのか、どんな景色を眺めてきたのか、どんな時間を過ごしてきたのか、そんなことまで見えているような作品でした。

先日講演会で話を聞いた、作家の西加奈子さんもそうだけど、
一つのものを見つめるということは、すごく個人差があって、同じものを見ても、その奥の奥のそのまた奥まで見えて、理解して、感じて、まずはそこだけでも素晴らしくて、文学も含めて心に届く芸術のすごいところは、その作者が理解したその「もの」を、どうすれば伝えられるのか、そこからが大変な仕事なのかなということ。どんな言葉を使うのか、どんな素材を使うのか、どんな順序で使うのか、どのぐらい間を空けるのか、試行錯誤の繰り返し、延々と、何年も何年もその繰り返しがその作者を磨き育てて、永年の経験の間に、さらにすばらしい芸術家になられるんだなーと思いました。

同じことをずっと続けてるだけなんです・・・・と謙遜しておっしゃった大橋さんの表情の、でもどこかに、素敵なプライドというか、できるだけのことをした後のすがすがしさのようなものも感じました。

いろんなところで個展を開催されているようです。
もし機会があったら、ぜひ彼の作品にふれてみてください(=^oo^=)

大橋さんのウェブサイトにもいくつかの作品が掲載されています。本物の迫力には負けますが・・・でも、テイストは感じるかも。
「洋画家 大橋利一」 までどうぞ(*^oo^*)

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by butakotanaka | 2014-11-05 12:11 | 日常生活 | Trackback | Comments(0)