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ぶたこな日々(^oo^)にようこそ。音楽で言葉で心で、今年もいろんな人と対話したいなぁ。

by butako

自分の思い込みに気づく・・・。

こないだ図書館で借りてきた本『ある陪審員の四日間』を、ちょっとずつ読んでます。ニューヨークで研究する歴史学者の著者が、陪審員候補として呼び出されてから、選任され、裁判の途中からは陪審長をつとめながら、判決をくだすまでの様子を、彼独自の視点から書いた作品です。

陪審員ってのはこうやって選ばれるだーとか、裁判の手順ってこんな風なんだーとか、実際にはこんなことが起こるんだーとか、いろんなことが見えてきます。

まだ途中だけど、今のところの新しい発見。
日本の新しい裁判員制度だと、三人の裁判官と市民から選ばれた6人の裁判員が、有罪か無罪かだけでなく、量刑まで一緒に話し合って決めます。

アメリカの陪審員制度だと、12人の陪審員は自分たちだけで話し合い、有罪か無罪かだけを決める。この作品のなかには「陪審員は事実に関する裁判官、裁判官は法律に対する裁判官です」みたいな表現がある。陪審員は有罪か無罪かを決めるけど、有罪の場合、どの程度の罪になるのかには、関わらない。この「関わらない」というのは、楽だなと、私は勝手に思い込んでた。日本の制度みたいに、相手を極端な話、死刑ですとか、無期懲役ですと、裁判官と一緒に決めるなんて重過ぎると。

でも、この本の中で作者が書いてた。
有罪だとしか決められないのは、つらいと。
たとえば、あー、この被告は有罪だな。でも、2-3年程度の罪かな。多くても5年だなってそれぐらいの感覚で有罪だって判断したとして、結果、裁判官が「無期懲役です」とか、またまた極端な話「死刑に処する」という判決を下したとしても、陪審員は何も異議をとなえられないわけです。「えー、死刑までいくなんて、考えてなかったです。そこまで重い罪を問われるなら、無罪と書いたかもしれないのに・・・」と後悔しても遅い。

そう考えると、日本の制度で、罪の程度、量刑の決定まで一緒に関われる方が、「安心」ともいえるのかもしれないなぁ・・・と考え直しました。物事ってのは、いろんな見方があるもんですね。



取調べのシーンでも、記録、つまりビデオなどでの撮影はどの時点で行われるんだろうって思ってたら、自白してから。捕まえて、取り調べて、厳しく尋問して、自白を得る。その時点ではまだ撮影してない。で、いざ、起訴できるって見込まれると、そっからビデオ隊が到着して、改めて撮影がはじまり、あらためて尋問して自白をするところを詳しく撮影。この「詳しく」という過程で、圧倒的に有利不利が両者のあいだに存在するなって感じた。

警察側は、裁判のことも法律のことも知り尽くしてるし、なによりも経験豊富。どんな質問をしてどんな答えを引き出しておけば、記録しておけば、後々裁判で有利になるか、有罪に持ち込めるかを知り尽くしたプロ。一方、容疑者はシロートだから、どんな答えをしたら自分が後々不利になるのかわからないまま、質問に答えてる。で、このビデオが証拠として提出されるねんな。なんか、ちょっと不公平かもって感じてしまった。



昨日、友人を通じて、友人の友人で千葉に住む方から、裁判員制度について日弁連が出している冊子を借りた。わざわざ送ってくださったんだって。ありがたいなぁ。ある人が裁判員として選ばれて、裁判を経ていく過程がマンガになっていて、とってもわかりやすい。定価100円ってなってたけど、本屋で見たことないなぁ。図書館でも。もっといろんなところに置いてほしいなって思った。

これを読んでいて、またまた自分の思い込みに気づいた。
私って、原則的に警察を信用してるなって。
警察のすることを正しいって思ってるって。

たとえば、誰かがある事件で怪しいって、ワイドショーが報道したとして、その時点では、あーこの人が犯人かもしれんって思うけど、でも犯人じゃないかもしれんとも思ってる。警察が逮捕して「容疑者」になった。これは、かなりの確率でやったんだなって信用してる。で、次の段階、起訴されて「被告」になりました。もうこの時点で、私の中では、この人は犯人なんだ、有罪なんだって思ってるなぁ。実際、日本の裁判では99.9%が有罪になるんだって。知らんかった。ここまで高いとは。それを私の中では、警察が正しい捜査をして、間違いを犯さないからだと信じ込んでたけど、裁判は、そんな自分の思い込みをとりはらって見ないとあかんねんな。

でもって、私の中では警察は「みんなのための警察」と思ってたけど、考えてみたら裁判では、警察は検察側ってことになるんやんね?起訴して有罪に持ち込もうとしている側。どちらも経験豊かで法律のブロで、事件の最初からかかわって、現場とかも最初から見てきて・・・・。で、弁護側ってのは、何もかも捜査がすんで起訴されてから事件に関わる。遅いやん(^oo^;)なんか不利な気がする。最初から立場が違うんやぁ。



私たちって、公の人たちを信用しすぎる傾向にあるねんね。日本人って。あんまり疑わない。でも、最近、国会議員でも、官公庁でも、警察だって、間違いを犯すことが多いし、国民がだまされてるって感じることも多い。何でも信用しすぎないで、疑ってかかる、悪いことをしないように、そんな気持ちにならんように、しっかり私たち国民が「見張る」ってのは、大切なんやなぁ・・・って思った。

思い込みや偏見ってのは、「知らない」「理解していない」ことでおこるわけやから、いろんなことを知りたいし、理解したいなって改めて思いました。



ってことで、ぶたこの裁判員制度お勉強、まだまだ途中ですが、今日のところの気持ちでした(^oo^)
by butakotanaka | 2007-08-08 10:06 | Watch&Say